| 香辛料からの酸素官能基をもつ化合物の分離とその確認 「化学と教育」48巻10号（2000年），687 山中孝男・山本 宏 目的 香辛料のクミンシードからクミンアルデヒドを，バニラビーンズからフェノール類のバニリンを取り出し，それぞれの酸素官能基を確認する． 手順 クミンシードの粉末約5ｇを秤量し，簡易水蒸気蒸留装置を使い，約30分間蒸留した． 水と油状物質をヘキサン10mlで抽出． 50ｍｌビーカーに移し，一，二昼夜放置して溶媒を留去後，無色の粘性ある液体を得た． （約0.03g．クミンアルデヒドはベンゼン環にアルデヒド基と， pの位置に（CH3）2CH基を置換） フェーリング液を1ml加え，加熱すると，赤色沈殿を得た．（アルデヒド基の確認） バニラビーンズ約5ｇを細かく刻み，50mlビーカーに入れる． 酢酸エチル10mlを加え，５分間よく振り混ぜ，酢酸エチルを捨てる（2回）． メタノール10mlを加え，5分間よく振り混ぜた後，ろ過する． ろ液をフラッシュクロマトグラフィーにかけた． （内径約1.5cmのクロマトカラムにシリカゲルを10cm詰め， 体積比で酢酸エチル/ヘキサン＝4/1の混合液を展開溶媒とする） 淡褐色の帯を分取し，50mlビーカーに移し，一，二昼夜放置して， 溶媒を留去後，淡黄色の固体を得た． （約0.02ｇのバニラ臭をもつバニリン．バニリンはベンゼン環に*-OH，-CHO，-OCH3 ） 0.1モル/ｌ 塩化鉄（III）溶液5mlを加えると，緑色を呈した（フェノール性ヒドロキシル基の確認） |